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民俗学の旅
¥1,100
自らを「大島の百姓」と称し、生涯にわたり全国をくまなく歩きつづけた宮本常一。その歩みは同時に日本民俗学体系化への確かな歩みでもあった。著書の身体に強く深く刻み込まれた幼少年時代の生活体験や美しい故郷の風光と祖先の人たち、そして柳田国男や渋沢敬三など優れた師友の回想をまじえながら、その体験的実験的踏査を克明かつ感動的に綴る。宮本民俗学をはぐくんだ庶民文化探究の旅の記録。 (講談社HPより) 宮本 常一 著 発売日:1993年12月06日 ISBN:9784061591042 判型:A6 ページ数:248
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戦争は女の顔をしていない
¥1,540
ソ連では第二次世界大戦で100万人をこえる女性が従軍し,看護婦や軍医としてのみならず兵士として武器を手にして戦った.しかし戦後は世間から白い目で見られ,みずからの戦争体験をひた隠しにしなければならなかった――.500人以上の従軍女性から聞き取りをおこない戦争の真実を明らかにした,ノーベル文学賞作家の主著.(解説=澤地久枝) (岩波書店HPより) スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ 著 三浦 みどり 訳 発売日:2016年02月16日 ISBN:9784006032951 判型:A6 ページ数:506
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ウクライナを知るための65章
¥2,200
2014年ウクライナのクリミアをロシアが併合したことは全世界を驚かせた。そもそもウクライナとはどういう国なのか。本書は、ウクライナを自然環境、歴史、民族、言語、宗教など様々な面から、ウクライナに長らくかかわってきた執筆者によって紹介する。 (明石書店 HPより) 服部 倫卓:編著 原田 義也:編著 ISBN:9784750347325 判型・ページ数:4-6・416ページ 出版年月日:2018/10/25
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現代ロシアを知るための60章【第2版】
¥2,200
隣国ロシアではふたたびプーチンが大統領の座についた。今後最長で12年間、最高権力者としてロシアに君臨するかもしれない。ロシアはどのように変化していくのか。本書はもうひとつの大国の今を現地でロシアと対した専門家が明らかにしていく。 (明石書店 HPより) 下斗米 伸夫 編著 島田 博 編著 ISBN:9784750336794 判型・ページ数:4-6・364ページ 出版年月日:2012/10/20
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ひとはなぜ戦争をするのか
¥660
1932年、国際連盟がアインシュタインに依頼した。「今の文明においてもっとも大事だと思われる事柄を、いちばん意見を交換したい相手と書簡を交わしてください。」選んだ相手はフロイト、テーマは「戦争」だった――。宇宙と心、二つの闇に理を見出した二人が、戦争と平和、そして人間の本性について真摯に語り合う。 養老孟司氏・斎藤環氏による書きおろし解説も収録。 【原本: 『ヒトはなぜ戦争をするのか』(花風社、2000年)】 (講談社HPより) アインシュタイン,アルバート 著 フロイト,ジグムント 著 浅見 昇吾 訳 養老 孟司 解説 斎藤 環 解説 発売日:2016年06月11日 ISBN:9784062923682 判型:A6 ページ数:120
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気流の鳴る音 ─ 交響するコミューン
¥990
SOLD OUT
「知者は“心のある道”を選ぶ。どんな道にせよ、知者は心のある道を旅する。」アメリカ原住民と諸大陸の民衆たちの、呼応する知の明晰と感性の豊饒と出会うことを通して、「近代」のあとの世界と生き方を構想する翼としての、“比較社会学”のモチーフとコンセプトとを確立する。 (筑摩書房HPより) 真木 悠介 著 発売日:2003年03月10日 ISBN:4480087494 判型:文庫判 ページ数:240
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20ヵ国語ペラペラ ─私の外国語学習法
¥880
SOLD OUT
終戦間もない北海道網走での少年時代。著者は、雑音まじりのラジオから聞こえる異国の言葉に胸をときめかせ、語学に邁進した。そして独学で英語を磨き日米交換留学生になり、教材が入手困難な中あらゆる方法を駆使して30歳で「20カ国語」をマスターした。語学上達のノウハウを惜しみなく開陳した名著であり、外国語の習得に熱中した一人の青年の青春記。 (筑摩書房HPより) 種田 輝豊 著 発売日:2022年05月10日 ISBN:9784480438188 判型:文庫判 ページ数:272
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あしたから出版社
¥968
青春の悩める日々、創業への道のり、編集・装丁・営業の裏話、忘れがたい人たち……「ひとり出版社」を営む著者による心打つエッセイ。解説 頭木弘樹 (筑摩書房HPより) 島田 潤一郎 著 発売日:2022年06月09日 ISBN:9784480438225 判型:文庫判 ページ数:336
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農家が消える 自然資源経済論からの提言
¥3,850
人びとの生存を支え、国土を保全してきたなりわい=農業の危機が止まらない。1960年と2015年を比較すると、総農家戸数は606万戸から216万戸に、農業就業者数は1196万人から201万人に、農作物作付延べ面積はほぼ半減した。 アメリカのTPP離脱後も、日本政府はNAFTA-TPP型経済連携をめざして大規模農業化を推進するが、農山村では里山の荒廃と集落の衰退がつづく。防衛関係費予算は5兆1200億円余、じつに農林水産関係費の2.2倍強。食料自給率は先進諸国のなかで群を抜いて低い。 本書は、持続可能な農業と農山村のあり方について、一橋大学大学院経済学研究科を拠点にした「自然資源経済論」グループの10年間の成果にもとづく提言である。 グローバリズムと成長産業化一辺倒の農業政策を見直す。農業の担い手不足を乗り越える構想と政策。自治力を高め、地域の価値と「かけがえのないもの」を守る制度づくり。農山村地域からのエネルギー転換。公正で「全体最適」な貿易原則。 明治以後の近代化・都市化の限界が明らかになった現在、社会のあり方を根底から見直す時である。 自然共生型農業の実現のさきに、アジアと連携し、ともに発展する環境共同体を構想する。 (みすず書房HPより) 寺西俊一 編著 石田信隆 編著 山下英俊 編著 高柳友彦 著 寺林暁良 著 藤井康平 著 石倉研 著 藤谷岳 著 吉村武洋 著 山川俊和 著 発売日:2018年10月16日 ISBN:9784622087373 判型:四六判 ページ数:320
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〈心理療法〉コレクション I ユング心理学入門
¥1,452
著者の処女作であり,日本で最初に著されたユング心理学の本格的入門書.河合心理学の出発点がわかる本であり,後に展開する重要なテーマが数多く含まれる.著者の生涯を通じて重要な位置を占め続けたユング心理学に関する最も基本的な本.文庫版収録に際し,著者がユング心理学を学ぶに至った経緯を自ら綴った文章を併録.(解説=茂木健一郎) ■内容紹介 本書は,河合隼雄の〈心理療法〉コレクション・シリーズの第一冊目である.1967年に刊行された本書は,すでに58刷以上を数えユング派心理学の入門書のバイブルともいえる存在である.1965年にスイスのユング研究所でユング派精神分析家の資格を取得して帰国した著者が著した,日本で最初のユング心理学についての本格的入門書.河合隼雄の心理療法の出発点を示す本であり,タイプ論,コンプレックス,夢分析,普遍的無意識など,後に展開される重要なテーマが数多く含まれている.本書は,河合隼雄の〈心理療法〉コレクション・シリーズの第一冊目である.1967年に刊行された本書は,すでに58刷以上を数えユング派心理学の入門書のバイブルともいえる存在である.1965年にスイスのユング研究所でユング派精神分析家の資格を取得して帰国した著者が著した,日本で最初のユング心理学についての本格的入門書.河合隼雄の心理療法の出発点を示す本であり,タイプ論,コンプレックス,夢分析,普遍的無意識など,後に展開される重要なテーマが数多く含まれている. 文庫化に際し,著者がユング心理学を学ぶに至った経緯を自ら綴った「序説 ユング心理学に学ぶ」を併録.注に掲げた参考文献も,近年邦訳されたユングの著書も入れて一新した.また,ユング心理学をさらに学びたい人のために,本シリーズの編者である河合俊雄氏が書き下ろした「読書案内」を収載した.河合隼雄氏との思い出をまじえながら,本書についてかたった茂木健一郎氏の解説「繰り返し立ち返るべき〈古典〉」も必見. (岩波書店HPより) 河合 隼雄 著 河合 俊雄 編 発売日:2009年05月15日 ISBN:9784006002206 判型:A6 製本:並製 ページ数:326
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時間の比較社会学
¥1,606
原始共同体,古代日本,ヘレニズムとヘブライズム,近代社会-文化と社会の形態によって異なる時間の感覚と観念を比較検討し,近代的自我に特有の時間意識がどのように形成されたかを,自然と人間,共同体と都市,市場と貨幣等々の関係のなかで解明する.近代世界の自己解放の運動の一環を担う比較社会学の深い洞察に満ちた労作. ■内容紹介 著者によれば,「真木悠介の筆名で発表するものは,世に容れられるということを一切期待しないという,古風な熱情を以て記された文章群であるにもかかわらず,この仕事は例外的に,多くの熱心な読者と遭遇するという幸運を得た」という.初版刊行から22年,すでに現代の古典の地位を占める社会学の名著である. 時間の問題はこれまで,哲学,文学,宗教,あるいは物理学の分野でとりあげられてきた.本書はそれを社会科学の主題として考察する.抽象化すれば,第一に,自然からの人間の自立と疎外,第二に,共同態からの個の自立と疎外の考察であり,「近代の自己解放の運動の一環を担うものとしての」比較社会学的アプローチの試みである. パスカルの「この世の生の時間は一瞬にすぎないということ,死の状態は,それがいかなる性質のものであるにせよ,永遠であるということ,これは疑う余地がない……」という近代的理性の根源的恐怖を表す言葉から始まる本書の叙述は,文化人類学,民俗学,哲学,言語学等々隣接諸科学の成果を広範にとりいれて,原始共同体,古代日本,ヘレニズムとヘブライズム,近代社会それぞれの時間感覚・時間観念を比較検討しつつ,近代的自我に固有の時間意識の解明に向かう. そして「われわれがもはやたちかえることのできない過ぎ去った共同態とはべつな仕方で,人生が完結して充足しうる時間の構造をとりもどしたときにはじめて,われわれの時代のタブー,近代の自我の根柢を吹きぬけるあの不吉な影から,われわれは最終的に自由となるだろう」と結ばれる. なまじな要約を拒絶する思索と独特の表現に関心を持たれた読者は,本書を手にとっていただくほかはない. (岩波書店HPより) 真木 悠介 著 発売日:2003年08月19日 ISBN:9784006001087 判型:A6 ページ数:338
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誰がために医師はいる クスリとヒトの現代論
¥2,860
ある患者は違法薬物を用いて仕事への活力を繋ぎ、ある患者はトラウマ的な記憶から自分を守るために、自らの身体に刃を向けた。またある患者は仕事も家族も失ったのち、街の灯りを、人の営みを眺めながら海へ身を投げた。 いったい、彼らを救う正しい方法などあったのだろうか? ときに医師として無力感さえ感じながら、著者は患者たちの訴えに秘められた悲哀と苦悩の歴史のなかに、心の傷への寄り添い方を見つけていく。 同時に、身を削がれるような臨床の日々に蓄積した嗜癖障害という病いの正しい知識を、著者は発信しつづけた。「何か」に依存する患者を適切に治療し、社会復帰へと導くためには、メディアや社会も変わるべきだ――人びとを孤立から救い、安心して「誰か」に依存できる社会を作ることこそ、嗜癖障害への最大の治療なのだ。 読む者は壮絶な筆致に身を委ねるうちに著者の人生を追体験し、患者を通して見える社会の病理に否応なく気づかされるだろう。嗜癖障害臨床の最前線で怒り、挑み、闘いつづけてきた精神科医の半生記。 [月刊「みすず」好評連載を書籍化。精神科医による迫真のエッセイ] 2022年第70回日本エッセイスト・クラブ賞受賞。 (みすず書房HPより) 松本俊彦 著 発売日:2021年4月 1日 ISBN:9784622089926 判型: 四六判 ページ数:232
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国際政治 改版 恐怖と希望
¥836
世界平和を実現するために人類は古くから叡智を傾けたが、戦いは繰り返された。戦争の危機はなぜ去らないのか――この問いに答える書物は少ない。国際関係を単純に図式化・理想化することなく、また「複雑怪奇」といって正確な認識を諦めることもなく追い求めた著者が、軍縮、経済交流、国際機構などを具体的に検討しながら、国家利益やイデオロギーがからみあう現実世界を分析し、組織的に論じた国際政治の入門書 (中央公論新社HPより) 高坂正堯 著 発売日:2017年10月19日 ISBN:9784121801081 判型:新書判 ページ数:256
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生きがいについて 神谷美恵子コレクション
¥1,760
「いったい私たちの毎日の生活を生きるかいあるように感じさせているものは何であろうか。ひとたび生きがいをうしなったら、どんなふうにしてまた新しい生きがいを見いだすのだろうか」 神谷美恵子はつねに苦しむひと、悲しむひとのそばにあろうとした。本書は、ひとが生きていくことへの深いいとおしみと、たゆみない思索に支えられた、まさに生きた思想の結晶である。1966年の初版以来、多くのひとを慰め力づけてきた永遠の名著に執筆当時の日記を付して贈る。 [1966年初版発行/1980年『神谷美恵子著作集 第1巻「生きがいについて」』初版発行] (みすず書房HPより) 神谷美恵子 著者 柳田邦男 解説 発売日:2004年10月04日 ISBN:9784622081814 判型:四六判 ページ数:360
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ちゃぶ台9 特集:書店、再び共有地
¥1,980
現代に生きる「共有地」たりうる本屋さんを渾身取材!! Seesaw Books(北海道・札幌) ブックカフェ「フルハウス」(福島・南相馬) 栞日(長野・松本) Antenna Books & Cafe ココシバ(埼玉・川口) ポルベニールブックストア(神奈川・鎌倉) ブックハウスひびうた(三重・津) 毎日食堂/MAINICHI STORE(兵庫・南あわじ) ウィー東城店(広島・庄原) 汽水空港(鳥取・東伯) うなぎBOOKS 旧塚本邸(福岡・八女) ◎特集対談 平川克美×辻山良雄 「小商いをはじめたら、共有地ができてしまった———喫茶店店主と書店店主が語る」 *特集に寄せて 社会を安定的に持続させてゆくためには、社会の片隅にでもいいから、社会的共有資本としての共有地、誰のものでもないが、誰もが立ち入り耕すことのできる共有地があると、わたしたちの生活はずいぶん風通しの良いものになるのではないか――平川克美『共有地をつくる』 この一文のあと平川さんは、「国家のものでもないし、『私』のものでもない」、「自分一人で生きてゆくのではなく、かといって誰かにもたれかかって生きているわけでもない場所」と共有地を定義づけます。たとえば、喫茶店、銭湯、居酒屋、縁側など。 これを読んだときすぐに、間違いなく書店もそうだ、と直感しました。なぜなら、私たち(ミシマ社)は書店さんと日々、直取引をおこなうなかで、書店という場が読者、のみならず地域の人たちにとってどんどん「共有地化」しているのを感じていたからです。 いえ、なにも急に起こった現象ではありません。むしろ逆で、かつてはほとんどすべての書店がそうだった。そして、一部はそうでなくなっていた。が、いま再び共有地となっている本屋さんが次々と現れている。同時にその姿はかつてと同じではない。つまり、強すぎる地縁や共同体意識などから解放されてある。 かつてあった、ということは今もできるという裏返し。 かつて、と違うかたちなのは、現代社会が希求するかたちへ変形したということ。 現代の共有地はこうしたふたつの希望を抱えて現出してきつつあるのではないでしょうか。 本特集では、現代に生きる共有地たりうる本屋さんを、普段よりお付き合いさせていただいているミシマ社の営業メンバーたちが取材しました。 ――本誌編集長 三島邦弘 (ミシマ社HPより) ミシマ社 編 発売日:2022年05月31日 ISBN:9784909394675 判型:四六判変形 ページ数:208
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3000万語の格差 赤ちゃんの脳をつくる、親と保育者の話しかけ
¥1,980
算数や国語の学力、粘り強さ、自己制御力、思いやり……、生まれた瞬間から最初の数年間に、親や保育者が子どもとどれだけ「話したか」ですべてが決まる。日本の子育て、保育が抱える課題とその解決策を、科学的な裏づけと著者自身の具体的な実践から示した書。 (明石書店HPより) ダナ・サスキンド 著 掛札 逸美 訳 高山 静子 解説 発売日:2018年05月15日 ISBN:9784750346663 判型:A5 ページ数:272
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東京商店夫婦
¥1,980
月刊『散歩の達人』で2016年11月号から2021年4月号まで連載された 「東京商店夫婦」が単行本になりました。 東京でさまざまな商売を営む40組の夫婦の“暮らしと商い”を取材、 書き下ろしエッセイも収録してお届けします。 夫婦が商いを共にし、その形がいつしか街の日常風景となっていく。 一見、旧態依然とした商売のあり方だが、実際のところ、どのようなものなのだろうか。 魅力的な店を商う夫婦への インタビューから浮かび上がるのは、 ステレオタイプな人生や、‟ふつう”の生活なんて、 どこにも存在しないこと。 さまざまなパートナーシップや生活の形が模索されるこの時代に、 40 組の夫婦のリアルな言葉は何かのヒントになるのかもしれません。 (交通新聞社HPより) 阿部 了 著 阿部 直美 著 発売日:2021年06月21日 ISBN:9784330030210 判型:A5
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夕暮れに夜明けの歌を 文学を探しにロシアに行く
¥1,980
「分断する」言葉ではなく、「つなぐ」言葉を求めて。 今、ロシアはどうなっているのか。高校卒業後、単身ロシアに渡り、日本人として初めてロシア国立ゴーリキー文学大学を卒業した筆者が、テロ・貧富・宗教により分断が進み、状況が激変していくロシアのリアルを活写する。 私は無力だった。(中略)目の前で起きていく犯罪や民族間の争いに対して、(中略)いま思い返してもなにもかもすべてに対して「なにもできなかった」という無念な思いに押しつぶされそうになる。(中略)けれども私が無力でなかった唯一の時間がある。彼らとともに歌をうたい詩を読み、小説の引用や文体模倣をして、笑ったり泣いたりしていたその瞬間──それは文学を学ぶことなしには得られなかった心の交流であり、魂の出会いだった。教科書に書かれるような大きな話題に対していかに無力でも、それぞれの瞬間に私たちをつなぐちいさな言葉はいつも文学のなかに溢れていた。(本文より) (イースト・プレスHPより) 奈倉有里 著 発売日:2021年10月07日 ISBN:9784781620121 判型:四六判 製本:仮フランス装 ページ数:272
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十歳までに読んだ本
¥1,760
子どもの頃、どんな本を読みましたか? 心を揺さぶられた物語、勇気をもらった言葉、憧れの主人公――小川糸、森見登美彦、宮下奈都、辻村深月、吉岡里帆をはじめ、作家、女優、映画監督ら70名が、「根っこ」となった大切な一冊について綴るエッセイ集。あの頃のドキドキやワクワクがよみがえり、大人になった心に響く一冊です。 (ポプラ社HPより) 西 加奈子 著 益田 ミリ 著 杏 著 発売日:2017年07月 ISBN:9784591155110 判型:四六判 ページ数:319
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韓国の「街の本屋」の生存探究
¥2,200
各地に個性的な街の本屋が誕生し「本屋巡り」が定着するほど注目を集める一方で、日々どこかで本屋が店を閉じている——本屋を取りまく状況は韓国と日本でとても良く似ています。そこで日本語版では出版ジャーナリスト石橋毅史を「案内人」に迎えて、解説やオリジナルエピソードも収録しました。 夏葉社代表 島田潤一郎氏による寄稿も巻末に収録しています。 (クオンHPより) ハン・ミファ 著 渡辺麻土香 翻訳 石橋毅史 解説 発売日:2022年05月31日 ISBN:9784910214344 判型:四六判 製本:並製 ページ数:284
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誰も正常ではない スティグマは作られ、作り変えられる
¥4,840
正常・異常をめぐるスティグマは、ただ漫然と生じたものではない。科学や医学はつねに権威をもって「異常」とすべきもののカテゴリーを作りだし、それはコミュニティを通して社会的・文化的に学習されてきた。本書はおもに精神疾患や発達障害のスティグマを中心に、スティグマが構築と再構築を重ねてきた変遷の力学を、18世紀以降、複数の戦時期を経て、高度に経済化した今日の社会に至るまでたどる。 しかし、だからこそスティグマとは本質的に、私たちの手で流れを変えうる「プロセス」であると著者は言う。汚辱や秘匿がいまだに残っている一方で、もはや「誰も正常ではない」と言えるほど、正常者・異常者を語るスティグマはその足場を失い、心身の障害を人間の多様性の一部として受け容れる潮流こそが勢いを集めつつある。 資本主義、戦争、身体‐心という三本の軸に沿って、本書は構成されている。著者は文化人類学者ならではの視点で、近年の「生物医学」化や、PTSD概念の功罪、非西欧的な価値観にも触れながら、歴史を多角的に描き出すことに成功している。 加えて、いずれもアメリカ精神医学界のキーパーソンであった著者の曾祖父、祖父、父、そして自閉症の娘をもつ著者自身という、四世代の個人の視点からミクロに捉えた史実が織り込まれているのも、本書のユニークな趣向だ。 (みすず書房HPより) ロイ・リチャード・グリンカー 著者 高橋洋 訳者 発売日:2022年05月09日 ISBN:9784622090915 判型:四六変型判 ページ数:520
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敗者としての東京
¥1,980
富と人口が集中し、世界最大規模を誇る都市、東京。だがこの都市は、少なくとも三度、占領されてきた。一五九〇年の家康、一八六八年の薩長連合軍、一九四五年の米軍によってである。凹凸をなすこの都市の地形と結びつきながら、過去の「敗者たち」の記憶は、歴史的な地層をなしてきた。縄文の古代から現代までを視野に入れ、地球史的視座と家族史的視座とを往還しながら、江戸=東京に伏在する「敗者たち」の記憶の水脈を探り当て、「勝者」であり続けようとする令和の東京とは異なる可能性を探求した、比類なき「江戸=東京」論! (筑摩書房HPより) 刊行日: 2023/02/15 判型:四六判 ページ数:352 ISBN:978-4-480-01768-0
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無意識のバイアス 人はなぜ人種差別をするのか
¥2,860
私たちは見て判断するのではない。判断して見ているのだ。 悪意の有無に関係なく存在する偏見、バイアス。それがいかにして脳に刻まれ、他者に伝染し、ステレオタイプを形作っているかを知ることなしに人種差別を乗り越えることなどできない。米国の学校・企業・警察署の改革に努める心理学者が解く無意識の現実とは。 「解説」(高史明)より一部抜粋 日本における諸問題の理解 アメリカにおけるバイアスを論じた本書は、日本国内の諸問題を理解する視座も与えてくれる。先に述べたように、黒人を野蛮や暴力と結びつけるようなバイアスは、日本においても存在している。このことは、アフリカにもルーツを持つスポーツ選手を扱うスポーツ新聞の記事が「野性味」「本能」といった見出しを掲げたり、マンガなどの創作物で描かれる黒人男性がしばしば屈強な身体と粗暴な人格の持ち主であったりすることなどからもうかがえる。日本は黒人に対するバイアスから逃れられている国というわけではなく、単に黒人の人口比率が小さく、日常生活において遭遇することが少ないために、問題が顕在化することが少ないだけなのである。 さらに、黒人に対するバイアスを日本人も有しているということ以上に本書に普遍性をもたらしているのは、潜在的なバイアスは人間の基本的な情報処理メカニズムによって実装されているという事実である。どんな人々に対して、どのようなバイアスを、どの程度の強さで抱くかは、場所により、時代により、属する文化により異なるとしても、いずれにせよ我々は潜在的なバイアスから自由ではない。本稿の「はじめに」でも述べたように、本書は黒人に関する人種問題を中心的に扱っているとしても、他の様々な集団をめぐるバイアスの理解を助けてくれる。 例えば刑事司法とコミュニティにおけるバイアスであるが、日本においては様々な主体が「不審な外国人」に注意するようにという呼びかけを頻繁に行っている。呼びかけの主体は、警察のような公的な組織の場合もあれば、民間の団体や個人の場合もある。このような呼びかけを行う人々と、それを受け止める人々が暗黙のうちに「不審者」として想定しているのは、西欧的な特徴を持つ白人よりも、東南アジア、中東、南米などの地域に由来する特徴を持つ人々ではなかろうか。「外国人」というカテゴリーと犯罪傾向とが繰り返し結びつけられることは、我々の心に潜在的なバイアスを植えつけていることだろう。「不審な外国人」として警察から職務質問を受けたり、近隣住民から通報されたりする外国人が「不審」に見えるのは、犯罪の徴候ゆえにではなく、単に風貌や言語などのせいかもしれない。 また、それらの人々が罪を犯す確率が実際に日本人(と明らかに認識できる人々)より高いとして、その問題への対処のためには、貧困や差別的で劣悪な労働環境といった状況要因に目を向けることも不可欠である。しかし、日本人がもともと抱いてきた偏見やステレオタイプに基づいて、これらの「外国人」が遺伝的に、あるいは文化的に、日本人より劣った性質の持ち主であると解釈することは実に簡単に行えてしまうため、我々を根本的な問題解決から遠ざけてしまう。 また日本において差別される「外国人」の中には、日本で生まれ、日本で育った、外見や言動では日本人と区別することが困難な人々もいる。歴史的な経緯もあって、コリアン(韓国・朝鮮人)において、そうした人々の比率は高い。そうした人々がしばしば自身の民族的ルーツが明らかにならないような姓名(「通名」)を用いるかどうかという選択を迫られていることや、そのことがアイデンティティに対して持つ複雑な影響などについても、黒人が履歴書を「漂白」することについて学んだ読者の方々は、より深く理解できるのではないかと思う。 社会の公正 潜在的なバイアスは、様々な形で不公正な結果をもたらすものであった。そして社会心理学の研究によれば、自分の属する社会や組織が自分を公正に扱ってくれると信じられることは、人間の社会的適応にとって欠かせないものである。逆に世の中が不公正であるという認知は、子どもから大人まで、あらゆる人々に苦痛をもたらし、社会的適応を妨げる。このことは、例えば自分が子どもだったころに他の生徒を「えこひいき」していた教師のことを思い出したり、自分より収入が多い人々が様々なテクニックを駆使して自分より安い税金しか納めないですませているかもしれないことを考えたりした時に生じる不快感を考えれば、容易に分かるのではないかと思う。 そして世界が概して公正であることは、人間の健全な発達の上でも欠かせない。「努力していればそのうち報われるよ」「悪いことをするとお巡りさんに捕まっちゃうよ」といった言葉は、多くの養育者が子どもに対して用いているものであろう。短期的な欲求をこらえ長期的な目標のために努力すること、善き人間であることがいつかは報われるものであり、そうでなければ罰を受けるものだと思えることが、我々の社会的適応を支えている。 重要なのは、この世界において、ある種の人々はこうした公正さから疎外され続けているということである。本書で解説されたように、黒人(特に黒人男性)は自分が罪を犯して警察に捕まることを心配する以前に、些細な過失や逸脱を理由に、あるいは落ち度とすら呼べない何かをきっかけに、権力から監視され、取り締まられ、拘束されること―場合によっては命を落とすこと―を怖れなければならないのである。このことは黒人たちに警察や法制度への不信を植えつけ、社会的適応を困難にさせ、社会全体にとっても損失となる。 本書では随所で、自分たちが尊重され公正な扱いを受けるという感覚を回復させることが、そうした処遇を受ける黒人個人にとっても社会にとっても好ましい帰結をもたらすという知見が紹介されていた。これは、翻って日本においてもこうした公正さから疎外されている人々がいないかに、改めて目を向けるきっかけとなるのではないだろうか。例えば、人種や民族、国籍を理由に「犯罪者予備軍」や「テロリスト予備軍」として扱われることだとか、公的支援から締め出されてしまうといったことは、自分たちが公正に扱われているという感覚を損ない、日本社会に対する愛着を損なうものだろう。そうやって疎外された人々が吐露する日本と日本人に対する不満を捉えて、「ほら見ろやっぱりこいつらは反日じゃないか」と言ってのけるような不公正が、まかり通ってはいないだろうか。 誰もがバイアスから自由ではないということ 偏見やステレオタイプはしばしばそれを抱く人の脆弱な心理を反映したもの、ないし病的なものとみなされることがある。実際、心理学においてもかつては、特に精神分析理論に基づいて、そのような解釈がなされることが多かった。しかし偏見やステレオタイプがそうした病理の現れである場合もあるにせよ、本書の中心的なテーマであったように、バイアスはそれ自体は正常で適応的な、基本的な心理的メカニズムによっても生じるのである。 この認識は、非常に重要である。確かに差別は、悪意や利己的な動機によってなされることもある。しかし、差別は許せないという価値観を深く内面化している人々でさえ、潜在的なバイアスによりしばしば不公正な振る舞いをしてしまうのである。差別しようという意図がなくとも、差別しているという意識も伴わないうちに、我々の認知や行動はバイアスの影響を受けてしまう。本書―人権問題について多数の良著を出版してきた版元による、「人種差別」の語を冠した翻訳書―を手に取る読者の多くは、差別問題に関心があり、平等を志向する人々ではないかと想像するが、そうした人々であっても(そしてもちろん、本稿を執筆している私にとっても)、例外ではないということである。バイアスにより不利益を受けるマイノリティ集団の人々自身もまた、例外ではない。「この世界は、とても深く、とても陰湿に、そして無意識のうちに」(本書一一頁)、自分自身が属する集団に対する認知を変容させ、健全な自己認識を揺るがすのである。 本書は、そうした我々自身が、我々の世界の見え方や我々の振る舞い方を形作っている見えないバイアスの正体を見極め、それに抗うことを助けてくれるものである。 (明石書店HPより) ジェニファー・エバーハート 著 山岡 希美 訳 高 史明 解説 発売日:2020年12月30日 ISBN:9784750351230 判型:四六判 ページ数:376
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感情とはそもそも何なのか 現代科学で読み解く感情のしくみと障害
¥2,420
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最新科学が解き明かす“感情”をめぐる最前線 私たちが日々経験する“感情”のしくみと、「うつ病」などの感情障害、「自閉症」、 こころと身体の健康維持に関わる「感情調整」「瞑想」などのしくみに至るまでを紹介する 私たちはどのように“感情”を経験しているのか? ――長らく明らかにされてこなかった感情のしくみが、ここ数年のうちに「自由エネルギー原理」によってうまく説明されることが示唆された。本書では、この新しい理論に基づいて感情とは何かについて考える。「脳がからだの状態を理解し、調節するしくみ」をわかりやすく解説するとともに、うつ病をはじめとする感情障害や自閉症、また、こころと身体の健康を維持するための感情調整、瞑想などのしくみについても触れる。 [ここがポイント] ◎ 最新科学の視点で、今まで明らかにされてこなかった“感情”を理解する。 ◎ 発達障害やうつ病などの感情障害のしくみにくわえ、ウェルビーイングを維持するための感情調整、瞑想、催眠などのしくみについても解説する。 (ミネルヴァ書房HPより) 乾 敏郎 著 発売日:2018年09月30日 ISBN:9784623083725 判型:四六判 ページ数:210