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平和の条件
¥1,716
第二次世界大戦下に出版されたカー渾身の戦後構想。進行中の破局の根本原因をさぐり、政治・経済・国際関係の変革の道筋を示す。 内容紹介 第二次大戦下の1942年、ザ・タイムズ紙勤務時代のE. H. カーが戦後を見据えて発表した秩序構想。進行中の破局が19世紀秩序に根をもつとして、そこからの決別を唱え、20世紀的な現実に合わせた政治・経済・国際関係の変革の道筋を示す。ユートピア的思考が結晶化した本書によって、『危機の二十年』は乗り越えられた。 目次 覚え書 序 章 第一部 根本的諸問題 第一章 戦争と革命 革命と反動 ナポレオンとヒトラー 同時代の革命 第二章 民主主義の危機 歴史的背景 二十世紀の危機 新しい民主主義 第三章 集団的自己決定の危機 集団的自己決定とナショナリティ 集団的自己決定権の限界 集団的自己決定と軍事権力 集団的自己決定と経済権力 集団的自己決定の将来 第四章 経済的危機 個人主義 対 集産主義 富 対 福祉 生産 対 消費 過剰生産の危機 便法と療法 計画的な消費 第五章 道徳の危機 道徳のジレンマ 戦争の道徳的機能 道徳的目的を求めて 第二部 政策的構想案 第六章 イギリス本国 公共事業の再編成 社会ミニマムの構想 企業の管理 農業の考慮事項 民主主義統治の形態 第七章 イギリスと世界 過去の誤算 イギリスの地位変化 アメリカの役割 イギリスの役割 第八章 イギリスとヨーロッパ 「光栄ある孤立」なのか バランス・オブ・パワー 経済的要因 ヨーロッパにおけるイギリスの役割 第九章 イギリスとドイツ ドイツ人邪悪説 ドイツを抑圧する 軍事占領の方法 協力による和解 第十章 新しいヨーロッパ 講和の手続き ヨーロッパの統合 緊急救援と輸送 再建と公共事業 ヨーロッパ計画庁 生産・貿易・金融 新しいヨーロッパ 原 注 訳 注 解 説 人名索引 著者略歴 E. H. カー 1892年生まれ。イギリスの歴史家・国際政治学者。ケインブリッジ大学卒業後、20年間の外務省勤務を経て、ウェールズ大学教授。第二次世界大戦中には、ザ・タイムズ紙の社説を執筆。1955年よりケインブリッジ大学トリニティ学寮上級フェロー(終身)としてライフワークの『ソヴィエト=ロシアの歴史』(全10巻)に取り組む。『危機の二十年――理想と現実』(岩波文庫)、『ロシア革命』(岩波現代文庫)をはじめ著書多数。 中村 研一(なかむら けんいち) 1948年生まれ。北海道大学名誉教授。国際政治。『地球的問題の政治学』『ことばと暴力』等。 (岩波書店HPより)
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文章に生きる
¥3,740
この本の内容 ●エスノグラフィーと、クリエイティブ・ノンフィクションが出会う交差点 文章を書くことを通して、生きるという営みに対する共感が育ち、正確な言葉の選択によって認識が鍛えられていく。ロシアの作家チェーホフに学びながら、心を引き込む物語に整え、書き物としてのエスノグラフィーを作る技を身につける、実践的マニュアル。 目次 本書にようこそ―― 文章に生きる 1 ストーリーとセオリー 在庫確認 第一印象 シーン、要約、出来事 状況、物語、理論 エスノグラフィーの詩神としてのチェーホフ 2 場所 あなたが書いている場所 多義的な場所へ向かう道 場所の肌触り 他者の知覚 変貌した風景 ワイドアングルとクローズアップ 苦痛に満ちた場所 テクストたちが出会う場所 3 人 類型と個人 身体を持つ人 「もの」が語る人生 内的な伝記 人間ではない者たち 時を超える想像 4 声 声の響き キーワード、キーコンセプト 会話とパフォーマンスを書き起こす 引用と置き換え 間、ガードが堅い言葉、ベールに包まれた言葉 自分の声を育てる 5 自分 語ること 説明すること 呼び起こすこと 変容すること 枠組みを与えること つながること あとがき―― 生きるために書く 言葉とともに働くこと 執筆の過程 お世話になったみなさんへ 注 訳者あとがき 解説、ではなくて 著者について 読書案内と参考文献 索引 (新曜社HPより) キリン ナラヤン 著 波佐間 逸博 訳 梅屋 潔 解説 発売日:2025年01月 ISBN:9784788518650 判型:四六判 製本:並製 ページ数:288頁
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痛み、人間のすべてにつながる
¥3,520
内容紹介 「痛み」の本質の理解はここ十数年で大きく変わった。17世紀のデカルト以来、「痛みの経路」で多くを説明しようとする古いパラダイムが浸透していたが、最近は脳神経科学と認知心理学を組み合わせた巧みな実験の数々によって知見が深まり、痛みに対処するためのさまざまな実践的アプローチが視野に入ってきた。 痛みは脳でつくられるが、その存在は脳の中だけに閉じてはいない。脳・身体・痛みの関係の本質が新たな常識になれば、より多くの苦痛を軽減することにつながる。本書が啓蒙するのは神経科学以上にそうした本質の認識であり、読み終わるとたしかに、「痛み」と自分の関係が変わっている。 本書では痛みのきわめて多様な側面が取り上げられる。持続性の痛みに対処するために必要なのは、全体論的アプローチだからだ。痛がる脳の最新科学、情動や共感の役割、痛みの社会性、「無痛」の研究、鎮痛薬以外の対処法の展開(認知行動療法から編み物セラピーまで!)……すべての章が、痛みについての新しい理解の扉を開いてくれる。 痛みはあなたを保護する仕組みであり、当事者が痛みに対して主導権を握ることで、痛がる脳はダイナミックに変えられる。読者に手渡されるのは、この知識の力だ。 目次 本書を読んでいただく前に プロローグ 1 身体の防衛省 ──そもそも痛みとは何か 2 無痛の五人組 ──痛みを感じないとはどういうことか 3 こっちを向いてよ ──注意をそらすことと想像の力 4 期待の効果 ──プラセボ、知覚、そして予測 5 痛みの意味 ──情動と心理の力 6 痛みなければ益もなし ──苦痛と快楽、そして目的 7 誰かの「痛い」を知覚する ──痛みが伝染する理由 8 心をひとつに ──社会的な痛み 9 信じることで救われる ──信念と枠組み[フレーム] 10 静かなるパンデミック ──持続痛クライシス 11 暴走する脳 ──痛みはなぜ残るか 12 痛みの革命[ペインレボリューション] ──持続痛をめぐる新たな希望 謝辞 推薦の辞──本質の理解と、包括的な疼痛医療のために(愛知医科大学 牛田享宏) 用語集 参考文献 索引 著訳者略歴 *ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。 モンティ・ライマン Monty Lyman 皮膚科医。オックスフォード大学医学部リサーチ・フェロー。オックスフォード大学、バーミンガム大学、インペリアル・カレッジ・ロンドンに学ぶ。タンザニアの皮膚病調査についてのレポートで2017年にWilfred Thesiger Travel Writing Awardを受賞。デビュー作The Remarkable Life of the Skin: An Intimate Journey Across Our Surface(Bantam Press, 2019)〔塩﨑香織訳『皮膚、人間のすべてを語る』みすず書房、2022〕は英国王立協会科学図書賞の最終候補作になるなど高い評価を得ている。第二作である本書の原書The Painful Truth: The New Science of Why We Hurt and How We Can Heal(Bantam Press, 2021)の元になったエッセイは英国王立医学協会により疼痛エッセイ賞に選ばれた。ほかの著書にThe Immune Mind: The New Science of Health(Penguin Random House, 2024)がある。オックスフォード在住。 塩﨑香織 しおざき・かおり 翻訳者。オランダ語からの翻訳・通訳を中心に活動。英日翻訳も手掛ける。訳書に、ピーター・ゴドフリー=スミス『メタゾアの心身問題』(みすず書房、2023)、モンティ・ライマン『皮膚、人間のすべてを語る』(みすず書房、2022)、スクッテン/オーベレンドルフ『ふしぎの森のふしぎ』(川上紳一監修、化学同人、2022)、『アウシュヴィッツで君を想う』(早川書房、2021)、アンジェリーク・ファン・オムベルヘンほか『世界一ゆかいな脳科学講義』(河出書房新社、2020)、ほか。 (みすず書房HPより) 著者 モンティ・ライマン 訳者 塩﨑香織 発売日:2024年11月 ISBN:9784622097389 判型:四六変型 ページ数:336頁
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中動態の世界
¥990
内容紹介 『暇と退屈の倫理学』國分功一郎、文庫最新刊! 本当の自由を求める新たな時代の哲学書。 誰かを好きになる。これは能動か受動か。好きになろうとしたのでもなければ、好きになるよう強いられたのでもない。自分で「する」と人に「される」しか認めない言葉は、こんなありふれた日常事を説明することすらできない。その外部を探求すべく、著者は歴史からひっそりと姿を消した“中動態”に注目する。人間の不自由さを見つめ、本当の自由を求める哲学書。時代を画する責任論を新たに収録。 目次 プロローグ――ある対話 第1章 能動と受動をめぐる諸問題 1「私が何ごとかをなす」とはどういうことか 2「私が歩く」と「私のもとで歩行が実現されている」は何が違うのか 3 意志と責任は突然現れる 4 太陽がどうしても近くにあるように感じられる――スピノザ 5 文法の世界へ 第2章 中動態という古名 1「中動」という名称の問題 2 アリストテレス『カテゴリー論』における中動態 3 ストア派文法理論における中動態 4 文法の起源としてのトラクス『文法の技法』 5 エネルゲイアとパトスをめぐる翻訳の問題 6 パトスは「私は打たれる」だけではない 7 メソテースをめぐる翻訳の問題――四つの例 8 奇妙な起源 第3章 中動態の意味論 1 中動態に注目する諸研究――第三項という神秘化 2 中動態の一般的定義――なぜ奇妙な説明になるのか? 3 中動態を定義するために超越論的であること 4 バンヴェニストによる中動態の定義 5 中動態の一般的な定義との関係 6 受動態、能動態との関係 7「中動態」という古名を使い続けること 第4章 言語と思考 1 ギリシア世界に意志の概念はなかった 2 ある論争から 3『カテゴリー論』読解への貢献――デリダの批判(a)に対して 4 思考の可能性の条件としての言語――デリダの批判(b)に対して 5 哲学と言語――デリダの批判(c)に対して 第5章 意志と選択 1 アレントの意志論 2 アリストテレスの「プロアイレシス」 3 プロアイレシスは意志ではない 4 意志と選択の違いとは何か? 5 意志をめぐるアレントの不可解な選択 6 カツアゲの問題 7「する」と「させる」の境界 8 権力関係における「能動性」 9 アレントと一致の問題 10 非自発的同意の概念 11 アレントにおける政治、意志、自発性 第6章 言語の歴史 1 動詞は遅れて生じた 2 動詞の起源としての非人称構文 3 中動態の抵抗と新表現の開発 4 出来事の描写から行為の帰属へ 5 日本語と中動態 6 自動詞と受動態 7「自然の勢い」としての中動態 8 中動態をめぐる憶測 9 抑圧されたものの回帰 第7章 中動態、放下、出来事――ハイデッガー、ドゥルーズ 1 ハイデッガーと意志 2 ハイデッガーの意志批判 3「放下 Gelassenheit」 4 ドゥルーズ『意味の論理学』――その古典的問題設定 5 出来事の言語、動詞的哲学 6 動詞は名詞に先行するか? 第8章 中動態と自由の哲学――スピノザ 1 スピノザの書いた文法書『ヘブライ語文法綱要』 2 動詞の七つめの形態――文法論 3 内在原因、表現、中動態――存在論(1) 4 変状の二つの地位――存在論(2) 5 変状の中動態的プロセス――倫理学(1) 6 スピノザにおける能動と受動――倫理学(2) 7 能動と受動の度合い――倫理学(3) 8 自由について 第9章 ビリーたちの物語 1 メルヴィルの遺作 2 キリスト、アダム 3 ねたみの謎 4 歴史 5 彼らはいったい誰なのか? 6 中動態の世界に生きる 注 あとがき 文庫版補遺 なぜ免責が引責を可能にするのか――責任と帰責性 著者プロフィール 國分功一郎 コクブン・コウイチロウ 1974(昭和49)年生れ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。2025(令和7)年3月現在、東京大学大学院総合文化研究科教授。専攻は哲学。2017(平成29)年、『中動態の世界』で小林秀雄賞を受賞。著書に『暇と退屈の倫理学』、『ドゥルーズの哲学原理』、『近代政治哲学』、『スピノザ──読む人の肖像』、『目的への抵抗』、『手段からの解放』、『〈責任〉の生成──中動態と当事者研究』(熊谷晋一郎と共著)ほか。 (新潮社HPより) 國分功一郎/著 発売日:2025年03月 ISBN:9784101035420 ページ数:528頁
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企業博物館とは何か
¥2,640
メンテナンス中です。お手数ですが出版社webサイト等をご覧ください。 出版社:青弓社
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ミュージアムの教科書
¥2,640
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未整理な人類
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メンテナンス中です。お手数ですが出版社webサイト等をご覧ください。 出版社:生きのびるブックス
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封じ込めの地政学
¥2,200
メンテナンス中です。お手数ですが出版社webサイト等をご覧ください。 出版社:中央公論新社
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未来の科学者たちへ
¥1,760
メンテナンス中です。お手数ですが出版社webサイト等をご覧ください。 出版社:KADOKAWA
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「誰でもよいあなた」へ
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大江健三郎 柄谷行人 全対話
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よくわかる社会学 第3版
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メンテナンス中です。お手数ですが出版社webサイト等をご覧ください。 出版社:ミネルヴァ書房
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よくわかる地域社会学
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ストリート・コーナー・ソサエティ
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信頼の経済学
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私たちはいつから「孤独」になったのか
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力と交換様式
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都市と農村
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他者の単一言語使用
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柳宗悦 民藝紀行
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風土
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世界史の構造
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西太平洋の遠洋航海者
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考現学入門
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